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山野 秀将; 栗坂 健一; 高野 和也; 菊地 晋; 近藤 俊樹; 梅田 良太; 白倉 翔太*
第27回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2023/09
溶融塩蓄熱式高速炉の安全設計方針及びリスク評価技術、ナトリウム-溶融塩の熱交換性能評価技術と伝熱向上方策、及びナトリウム-溶融塩の化学反応特性評価と安全性向上方策を開発する研究プロジェクトを進めている。ここでは、プロジェクト全体概要について報告する。
山野 秀将; 栗坂 健一; 高野 和也; 菊地 晋; 近藤 俊樹; 梅田 良太; 白倉 翔太*; 林 正明*
Proceedings of 8th International Conference on New Energy and Future Energy Systems (NEFES 2023) (Internet), p.27 - 34, 2023/00
被引用回数:0溶融塩蓄熱式高速炉の安全設計方針及びリスク評価技術、ナトリウム-溶融塩の熱交換性能評価技術と伝熱向上方策、及びナトリウム-溶融塩の化学反応特性評価と安全性向上方策を開発する研究プロジェクトを進めている。ここでは、プロジェクト全体概要について報告する。
内野 聖子*; 成田 弘一*; 北 圭介*; 鈴木 英哉*; 松村 達郎; 長縄 弘親*; 坂口 幸一*; 大渡 啓介*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 30(1), p.39 - 46, 2023/00
トリアミドアミン, tris(N,N-di-2-ethylhexyl-ethylamide)amine (DEHTAA)による硝酸水溶液からの3価希土類イオン(RE)の抽出について検討した。抽出メカニズムは、硝酸水溶液からのREの抽出挙動、原子番号と抽出割合(E%)の関係によって評価した。DEHTAA分子は、硝酸濃度1.0Mと平衡となった有機相においてDEHTAA-HNO錯体、硝酸濃度6.0Mと平衡となった有機相においてはDEHTAA(HNO)錯体を主として形成した。このことにより、軽REのE%の硝酸濃度依存性は、0.5Mにおいて最小、2M HNOにおいて最大となるユニークな特性を示す。REの分配比のスロープアナリシスの結果は、硝酸濃度1.0Mでは主なRE錯体はRE(NO)DEHTAA(DEHTAA HNO)であることが示唆された。硝酸濃度1.0Mでは、E%はLaからLuに向かって減少したが、硝酸濃度0.25MではLaからNdに向かって増加、硝酸濃度6.0MではLaからSmに向かって増加した。
池内 宏知; 小山 真一; 逢坂 正彦; 高野 公秀; 中村 聡志; 小野澤 淳; 佐々木 新治; 大西 貴士; 前田 宏治; 桐島 陽*; et al.
JAEA-Technology 2022-021, 224 Pages, 2022/10
燃料デブリ試料の核種・元素量の分析に向けて、酸溶解を含む一連の分析技術を確立する必要がある。本事業では、分析精度の現状レベルの把握と不溶解性残渣発生時の代替手法の確立を目的として、ブラインド試験が実施された。模擬燃料デブリ(特定の組成を持つ均質化された粉末)を対象に、日本国内の4分析機関においてそれぞれが有する溶解・分析技術を用いて、全体組成の定量値が取得された。各技術の特徴(長所・短所)を評価した結果に基づき、燃料デブリの暫定的な分析フローを構築した。
橋倉 靖明*; 石島 暖大; 中原 将海; 佐野 雄一; 上野 文義; 阿部 仁
保全学, 19(3), p.95 - 102, 2020/10
プルトニウム濃縮缶を対象とし、硝酸及び硝酸ナトリウム水溶液を用いて、印加電位を制御した定荷重引張試験及び電気化学試験を実施した。その結果を用い、硝酸濃度-き裂発生電位マップを作成した。また、応力腐食割れの可能性を評価する際には、硝酸だけでなく、硝酸塩に配位した硝酸イオン濃度も考慮する必要があることが明らかとなった。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 深澤 智典*; 福井 国博*
粉体工学会誌, 57(9), p.485 - 494, 2020/09
使用済燃料の再処理工程において、硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液をマイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物粉末に転換している。ラボスケールの基礎実験において研究開発された知見に基づき、工学規模への適用性の評価や金属硝酸塩水溶液の様々なマイクロ波加熱脱硝特性データを取得するため、硝酸セリウム,硝酸コバルト,硝酸銅水溶液を用いてマイクロ波加熱特性及び金属酸化物粉末特性の研究を行った。脱硝反応の進行速度は位置により差がみられ、周縁部の方が中心部に比べて脱硝反応が速く進行した。硝酸セリウム水溶液ではポーラスな硬い乾固体、硝酸コバルト水溶液では発泡乾固体、硝酸銅水溶液では粉末状生成物が得られることが分かった。生成物の脱硝率及び平均粒子径は、硝酸セリウム水溶液,硝酸コバルト水溶液,硝酸銅水溶液の順に大きくなることを確認した。数値シミュレーションにより、金属硝酸塩水溶液の底面周縁部はマイクロ波により加熱されやすく、脱硝反応が周縁部から開始する実験結果と一致することを明らかにした。
加藤 千明
Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.4, p.528 - 563, 2020/08
使用済み燃料の再処理プラントに使用されるPUREXプロセス法では、核分裂生成物,ウラン,プルトニウムの分離に硝酸が使用される。このPUREXプロセスは、使用済み燃料から生じる酸化性金属イオンを含む高濃度の硝酸溶液を高温で用いられるため、非常に腐食性が高くなる。本解説では、硝酸のユニークな化学的性質を最初に説明する。その次に、沸騰伝達における硝酸における酸化力の発現プロセスを、酸化還元電位と沸騰硝酸の熱力学的モデルを使用して説明する。最後に、再処理環境に固有の腐食挙動と腐食促進メカニズムを、溶液化学の観点から説明する。
阿部 徹*; 平野 史生; 三原 守弘; 本田 明
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.3 - 11, 2020/06
硝酸イオン化学的変遷挙動評価モデル(NEON)は、地層処分施設およびその周辺における硝酸イオンの化学的変遷挙動を把握するために開発された評価ツールである。硝酸イオンはTRU廃棄物に易溶性の塩として含まれており、放射性物質の移行挙動に影響を及ぼす可能性がある。したがって、地層処分の安全性を評価するための基礎情報として硝酸イオンの化学形態の変化を評価する必要がある。NEONでは硝酸イオンと、金属,鉱物および微生物との反応がモデル化されており、このうち微生物との反応は微生物の活動による窒素循環等の過程を取り入れて構築している。各反応モデルは室内実験の結果と比較され、おおむね再現できることが確認されている。そこで、TRU廃棄物の地層処分を想定したスケールにおけるNEONの適用性を評価することを目的として、地下水の硝酸性窒素汚染の天然事例について再現解析を実施し、モデルの適用性を評価した。再現解析には広島県生口島の事例を取り上げた。NEONを用いて計算された硝酸イオンおよびその化学変遷物であるアンモニウムイオンの濃度分布は、数百メートル規模でおおむね再現しており、NEONの広域的条件における適用性が示された。
佐々木 祐二; 伴 康俊; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 小野 遼真*; 城石 英伸*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 27(1), p.63 - 67, 2020/00
被引用回数:6 パーセンタイル:31.74(Chemistry, Multidisciplinary)Ndマグネット中のDyを溶媒抽出で分離回収する方法の基礎研究を行った。DyはNdよりも価値が高く、これを回収して再利用することは意義深い。我々はランタノイドを効率よく抽出するDGA(ジグリコールアミド化合物)を用いてDyを単離する条件の検討を行った。抽出容量の高いTDdDGA(テトラドデシルジグリコールアミド)を用いて溶媒抽出を行うと、Dy/Nd分離比は17-18であった。効率よく相互分離を行うために、向流接触の溶媒抽出を採用した。0.1M TDdDGA/n-ドデカン、0.3M硝酸の条件で4段の向流接触抽出を行ったところ、有機相にDyを92%、その中にNd 0.7%回収できることを確認した。
林 博和; 千葉 力也*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.196 - 199, 2018/11
原子力機構は、加速器駆動システム(ADS)用マイナーアクチノイド(MA)核変換燃料としてウランを含まないMA窒化物燃料の研究開発を実施している。本研究では、MA核変換燃料の第一候補である、窒化ジルコニウム(ZrN)を不活性母材として用いる窒化物固溶体について、ランタノイド元素を超ウラン元素の模擬物質として用いた硝酸中への溶解挙動測定試験を行った。その結果、ZrN粉末試料の8M硝酸への溶解は室温で約100日、約110Cでの加熱条件下で15時間かかるのに対し、0.4DyN-0.6ZrN固溶体粉末試料は室温の8M硝酸中に容易に溶解することを示した。また、0.4DyN-0.6ZrN固溶体粉末試料を硝酸で溶解した溶液の化学分析試験によって、試料の組成を測定した。
佐野 雄一; 安倍 弘; 高畠 容子
あいちシンクロトロン光センター2017年度公共等利用成果報告書(インターネット), 1 Pages, 2018/00
再処理工程での腐食機構の解明及び腐食抑制方法の提案を目的として、海水成分を含む硝酸溶液中におけるRuの存在形態に共存物質が及ぼす影響について評価を行った。Ruを対象としたXAFS測定の結果、塩化物イオンとの相互作用に起因すると推定されるRu近傍の構造変化が観測され、硝酸溶液中におけるRuの腐食促進作用に何らかの影響を及ぼすことが示唆された。
丹野 敬嗣; 竹内 正行; 大塚 智史; 皆藤 威二
Journal of Nuclear Materials, 494, p.219 - 226, 2017/10
被引用回数:17 パーセンタイル:85.35(Materials Science, Multidisciplinary)高速炉用に酸化物分散強化型(ODS)鋼燃料被覆管の開発が進められている。原子力機構では9および11Cr-ODS焼戻しマルテンサイト鋼をその候補材料としている。被覆管からの腐食生成物が再処理工程に及ぼす影響を見積もるためには、その腐食挙動を評価しておく必要がある。本研究では95Cの硝酸溶液中で基礎的な浸漬試験および電気化学試験を系統的に実施した。腐食速度は有効Cr濃度(Cr)および硝酸濃度の増加に対して、指数関数的に低下した。酸化性イオンの添加も腐食速度を低下させた。取得した分極曲線や浸漬後の表面観察結果より、低Crと希硝酸の組み合わせでは浸漬初期に活性溶解が発生し、腐食速度が大きくなることが分かった。一方、高Crと比較的高濃度の硝酸、あるいは酸化性イオンの添加の組み合わせは不働態化を促進し、腐食速度を低下させることが分かった。
瀬川 智臣; 深澤 智典*; Huang, A.-N.*; 山田 美一; 鈴木 政浩; 福井 国博*
Chemical Engineering Science, 153, p.108 - 116, 2016/10
被引用回数:7 パーセンタイル:26.49(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。金属硝酸塩水溶液の脱硝により生成される酸化物粉末の形態に対する加熱法の影響を明らかにするため、脱硝によりCu(NO)・3HO水溶液から生成された酸化銅粉末の形態に対する加熱法の影響について研究を行った。得られた粉末の中位径は加熱法に関らず、加熱速度が増加するにつれて減少することが明らかとなった。マイクロ波加熱法は顕著に粒子径が減少し、粒子の形状及び表面の不規則性が増大した。一方、マイクロ波と電気ヒータのハイブリッド加熱法では、最も表面が滑らかで球形の粒子が得られた。また、ハイブリッド加熱法では、マイクロ波加熱よりもシャープな粒子径分布を得られることが明らかとなった。数値シミュレーションにより、ハイブリッド加熱法では、より低いマイクロ波出力で全体を均一に加熱できることが明らかとなった。さらに、加熱法に起因する粉末の形態特性に対し、シミュレーションによるバルクの温度分布とマイクロ波照射により誘起されるCuO粒子で局所的に発生するホットスポットの相違に基づく考察を行った。
上野 文義; 入澤 恵理子; 加藤 千明; 五十嵐 誉廣; 山本 正弘; 阿部 仁
Proceedings of European Corrosion Congress 2016 (EUROCORR 2016) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2016/09
本研究は、再処理施設における減圧式のステンレス鋼製濃縮缶の腐食に及ぼす沸騰硝酸の影響に着目した。腐食試験は、コールド模擬のために酸化性金属イオンとしてバナジウムを添加した硝酸溶液を用いて行った。減圧沸騰条件と常圧非沸騰条件で腐食試験を行い、腐食速度を比較した。その結果、同じ温度で溶液が沸騰した場合に非沸騰に比べて腐食速度が大きくなった。硝酸中でのバナジウムの酸化反応を調べた結果、沸騰中では硝酸によるバナジウムの4価から5価への酸化が進み、腐食が加速されることを明らかにした。
入澤 恵理子; 上野 文義; 加藤 千明; 阿部 仁
材料と環境, 65(4), p.134 - 137, 2016/04
使用済核燃料再処理施設の高レベル廃液濃縮缶の運転環境を模擬した試験を行い、酸化性金属イオンを含む硝酸溶液中のステンレス鋼腐食に及ぼす沸騰の影響について評価した。浸漬腐食試験の結果から、同じ溶液温度において、大気圧下の非沸騰溶液中よりも減圧し沸騰させた溶液中の方が腐食速度が大きくなることがわかった。さらに、分極曲線からも、沸騰により腐食電位が貴側へ移行し、カソード分極曲線の電流密度が上昇することを確認した。以上より、同一温度において、減圧沸騰により腐食が加速されることを確認した。
佐々木 祐二; 鈴木 智也; 森田 圭介; 吉塚 和治*
Hydrometallurgy, 159, p.107 - 109, 2016/01
被引用回数:5 パーセンタイル:27.46(Metallurgy & Metallurgical Engineering)新しいソフト配位原子を含む三座配位系の抽出剤を開発し、試験した。テトラオクチルチオジグリコールアミド(S-DGA)抽出剤はテトラオクチルジグリコールアミドの酸素原子をイオウに置き換えた化合物である。S-DGAは酸溶液中の銀をドデカン溶媒に比較的高い分配比で抽出可能である。そこで我々はS-DGAを用いて硝酸, 硫酸, 過塩素酸中の銀の抽出挙動を調べ、結果を示した。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 有満 直樹*; 吉田 英人*; 福井 国博*
Advanced Powder Technology, 26(3), p.983 - 990, 2015/05
被引用回数:8 パーセンタイル:27.86(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。マイクロ波加熱法に対する酸化物添加法と断熱材の効果を明らかにするため、マイクロ波加熱法による硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO)・6HO)の水溶液の脱硝について研究を行った。Ni(NO)・6HO水溶液はマイクロ波吸収性が低く、マイクロ波照射により300C以上に昇温することができず、脱硝生成物(NiO)の最終生成物をこれまで得ることができなかった。そのため、コンタミネーションを伴わない新たなNiOの合成法として、マイクロ波アクセプターとしてNiO粉末を添加する手法を開発した。さらに、反応容器周辺に断熱材を設置することにより試料温度の均一性が向上し、NiOへの脱硝率を大幅に改善することができた。数値シミュレーションにおいて断熱材を設置した場合の電界分布は顕著に変化し、温度分布の不均一性が低下することが明らかとなった。シミュレーションによる温度分布を基に算出したNiOへの脱硝率は、実験結果と概ね一致する傾向にあることを確認した。
中村 康雄; 中谷 隆良
JAEA-Technology 2014-048, 18 Pages, 2015/03
日本原子力研究開発機構の余裕深度処分対象廃棄物のうち、再処理施設から発生するアスファルト固化体には硝酸塩が含まれており、この廃棄体を余裕深度処分する場合、硝酸塩も放射性物質と同様に地表水へ移行し環境影響が懸念される。硝酸塩は、環境基本法第十六条の規定で示されている水質の汚濁に関わる環境基準で定められた水質基準で規制対象となる物質(硝酸性及び亜硝酸性窒素)である。こうした有害物質の扱いについては、「第二種廃棄物埋設の事業に関する安全審査の基本的考え方(平成22年8月、原子力安全委員会)」では、"なお、非放射性の有害物質そのものの環境影響については、(中略)必要に応じ国あるいはその他関連する機関が定める規定に準じて別途考慮されなければならない"とされている。本報告では、硝酸塩が地下水とともに生活圏へ移行した場合の地表水中の硝酸性窒素濃度について計算し、環境基準を満足することを確認した。また、多重バリアで構成される処分システムにおいて、廃棄体層の間隙率及び移行経路上の分配係数の違いによる影響についても評価を行い、天然バリアにおける分配係数が評価点における硝酸性窒素濃度に感度があることを確認した。
福井 国博*; 井川 友介*; 有満 直樹*; 鈴木 政浩; 瀬川 智臣; 藤井 寛一*; 山本 徹也*; 吉田 英人*
Chemical Engineering Journal, 211-212, p.1 - 8, 2012/11
被引用回数:13 パーセンタイル:41.13(Engineering, Environmental)核燃料サイクルにおいて使用済み核燃料を硝酸で溶解し、マイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物(MOX)原料粉末に転換している。マイクロ波加熱脱硝特性の異なる複数の硝酸金属溶液からの金属酸化物粉末の生成プロセスについて明らかにするために、硝酸ニッケル水溶液と硝酸銅水溶液を用いたマイクロ波加熱脱硝特性の研究及び数値シミュレーションによる温度分布の解析を行った。マイクロ波加熱脱硝法により、硝酸銅水溶液から酸化銅を容易に得ることができる一方、硝酸ニッケル水溶液は270C以上に加熱することができなかった。マイクロ波加熱による脱硝反応過程は、外部加熱によるものと同じ過程をとることが確認でき、マイクロ波加熱により脱硝を行う上では、中間生成物と酸化物のマイクロ波吸収性だけでなく、中間生成物から酸化物に転換する温度が重要であることが示された。また、シミュレーションにより、反応容器内において中心部で最高温度となる半径方向に不均一な温度分布を形成することが明らかとなり、中心部から酸化物の生成が進行すると考えられる。
斎藤 滋; 佐々 敏信; 梅野 誠*; 倉田 有司; 菊地 賢司; 二川 正敏
JAERI-Tech 2004-074, 41 Pages, 2004/12
原子炉で使用した燃料中のマイナーアクチニド(MA)を短寿命の核種に核変換するシステムとして、加速器駆動システム(ADS)の開発が世界各国で進められている。ADSの核破砕ターゲット及び炉心冷却材には鉛ビスマスが検討されている。機器や照射試料に付着した鉛ビスマスを効率よく除去する技術は、被曝低減や交換部品の汚染低減と言った観点から重要な開発項目である。本研究の目的は、鉛ビスマスのさまざまな洗浄方式について洗浄能力・特徴を把握し、目的に応じた方式を提案するための基礎的な知見を得ることである。3種類の洗浄試験の結果、170Cでのシリコンオイル洗浄では細部の鉛ビスマスは除去しきれず、脱脂綿等で擦る必要があった。母材への影響はほとんど見られなかった。混酸(酢酸,過酸化水素,エタノール=1:1:1)洗浄では、浸すだけでほぼ完全に鉛ビスマスは除去されたが、シリコンオイルと比べ母材表面がやや黒ずんでいるように見られた。硝酸洗浄では、浸すだけでほぼ完全に鉛ビスマスは除去されたが、F82Hの母材表面が腐食された。